透明な光4

「君」はよく泣いた、そして笑った。

 

『全ての感情は、根源を共にする。喜びは悲しみを内包する、悲しみは喜びを持っている。絶望するからこそ、希望を感じることができるように。』

 

世界は美しいと言って、健気に笑うことができたら。僕は失うことを恐れた。眼前、広がる荒野に呆然とするばかりで。

 

日々は流転、横転、転げ落ちた未来。排水溝の上で干からびたそれを、誰か拾ってくれないか。抱きしめてくれないか。

 

出会いと別れ、重みは等しく、ただ引き裂かれる。幾星霜、何度繰り返せど、重さは変わらず、飽きもせず泣き笑う。その堆積を人生と呼んで、せめてもの慰めを、救いを。

 

そして僕は僕の孤独を代償に、「君」は「君」の孤独を代償として。

 

流れる時に祈りを

過ぎゆく昨日に餞を

枯れゆく季節に光と陰を

出会いと別れに涙と奇跡を

 

 

さよなら、僕らは笑いながら泣いた。